戦争史 2014 6 8
多くの日本人は、日本が紛争に巻き込まれた時に、
アメリカが白馬の騎士となって日本を守ってくれると思っているでしょうが、
それは、夢見る少女のようなもので、
あまり期待をしない方がよいでしょう。
私は、2013年3月17日に「アメリカの厭戦気分」という文章を書きました。
その中で、「アメリカ軍の士気は高いが、
アメリカ社会の士気は低いと言えるでしょう。
8年も続いたイラク戦争、
アフガニスタン戦争に至っては、
10年以上経った今でも続いています。
この二つの戦争が、
アメリカ社会に深刻な影響を与えています。
つまり、厭戦気分が広がっているのです」と書いたのです。
日本が紛争に巻き込まれる時とは、
多くの人は、尖閣諸島を連想するでしょうが、
普通のアメリカ人が見たら、どう思うか。
「無人島どころか、ただの岩ではないか。
ただの岩のために、戦争はしたくない」と思うのが普通です。
さあ、日本は、どうするか。
それでも、アメリカには、白馬の騎士がいるのです。
それが、民間の戦争株式会社です。
表向き「警備会社」と名乗っていますが、
従業員の経歴を見れば、世界最強の兵士です。
確か、ブッシュ政権時代に、
戦争が民営化されたのです。
アメリカ兵の戦死者が増えると、
世論が火を噴きますので、
戦争を民間企業に業務委託するようになったのです。
仮に警備会社の従業員が戦場で戦死しても、
それは戦死とは言わず、「労働災害」になるだけです。
戦争の民営化と書くと、驚く人が多いでしょうが、
実は、昔は、それが普通だったのです。
国王が傭兵を雇って、傭兵同士の戦争だったのです。
それが、いつの間にか、国民同士の戦争になってしまったのです。
傭兵同士の戦争の時は、戦争と言っても、
ビジネスでしたから、一定の秩序がありましたが、
国民同士の戦争となると、悲惨なものになりました。
国家の存亡をかけて戦うことになりますので、悲惨な戦いとなるのです。
日本人は、何事も真面目に考えてしまいますが、
憲法9条の関係で困った時には、
アメリカにある世界最強の戦争株式会社に業務委託することも可能です。
(もしかすると、こうした会社は、ブッシュ政権時代と違って、
「不景気」になりましたので、規模が縮小されたかもしれません)
昔は、いろいろな戦争がありました。
ある国は、なんと海賊を雇って戦争をしていました。
驚いたことに、海賊の功績を称えて、
海賊コインを作って通貨にしていました。
どう見ても、コインの裏側にある帆船は、海賊の帆船に見えるのです。
さすがに、「海賊金貨」では、まずいと思ったのか、銅貨になっています。
しかし、功績は、金貨に匹敵するものでした。
アメリカの厭戦気分 2013 3 17
アメリカ軍の士気は高いが、
アメリカ社会の士気は低いと言えるでしょう。
8年も続いたイラク戦争、
アフガニスタン戦争に至っては、
10年以上経った今でも続いています。
この二つの戦争が、
アメリカ社会に深刻な影響を与えています。
つまり、厭戦気分が広がっているのです。
戦争による死者は、
公式発表よりも、かなり多いと言えます。
統計は、定義の仕方によって、数字が大きく変わります。
知人や友人、親戚、
あるいは近所で、戦死者の話を聞けば、
誰だって、厭戦気分になるでしょう。
イラク戦争では、州兵まで動員されたのです。
陸軍兵士ならば、最前線の戦場も覚悟していたでしょうが、
州兵は、まさかイラクという戦場に派遣されるとは思っていなかったでしょう。
ウィキペディアによれば、
州兵の不在が、結果として、
アメリカ国内での災害の発生・拡大に深く影響を与えることも、
2005年のハリケーン・カトリーナによって明らかとなったとあります。
二つの戦争が、アメリカ社会に与えた傷は大きく、
いまだに、その傷は癒えないと言えるでしょう。
最近、日本では、日米同盟の強化ということが聞かれますが、
これは、アメリカの軍事力を当てにしているということでしょう。
しかし、アメリカ社会は深く傷ついているのです。
それでも、日本は、アメリカを頼りにするのですか。
自分の国は自分で守るのが、世界の常識です。
ましてや、日本は、世界第3位の経済大国です。
その上、世界最大の債権大国です。
このような超大国が、安全保障をアメリカに依存するのは、異常です。
日本の常識は、世界の非常識と言えるでしょう。